10月も半ばだというのに、大きな台風が続いていますね…。
台風15号、19号により被災された方々に、心よりお見舞い申し上げると共に、一日も早く落ち着いた生活が戻ってくるように、心からお祈りいたします。

台風19号が東日本を襲った10月12日夜、私は東京におり、翌日、何事もなかったかのような朝を迎えましたが、石巻の事務所は残念ながら床上浸水でした…涙。
うちの事務所は床がかなり高いので、床上まではさすがに大丈夫だろうと淡い期待をしていたのですが、甘かったですね。。。
床上10cmほどの浸水だったようですが、石油ファンヒーターが浸水してしまい、初日はどこの部屋も灯油のにおいがひどかったようです。

その日のうちに石巻入りして片付けなどしたかったのですが、東北新幹線も仙石線も復旧のめどが立たず…。
大家さんや近所に住む友人に朝イチで様子を見に行ってもらい、道路の水が引いた後はボランティアさん達や私の知人友人が次々と駆け付けてくれて、夕方まで作業してくれたり、雑巾や洗剤やゴミ袋を届けてくれました。なんともありがたい…! 
石巻の人たちの共助の精神に、感謝感激雨あられです。
やはりあの震災を経験しているからこそ、いざという時にすぐに支援に動き出せるのではと思います。

翌14日には私も石巻入りすることができ、無事だった2階で友人に息子を見てもらっている間に片付け作業をすることができました。
たった10cmの浸水でも、床や押入れに置いてあった書類系は全滅でした。
昔使っていた取材ノート、取材相手の方からいただいた資料、私が関わったプロジェクトの掲載紙…。
なくても困らないし、あったことすら忘れているものもありましたが、いざ目にすると「あ、これ、あの時の…」とさまざまな思い出がよみがえってくる、そんな品々をほとんど全部捨てました。

きれいに乾かせばある程度復活することは分かっているのですが、広げて乾かす場所もないし、キリがないし、なにより思い出の品々が泥水に濡れているところを見ているのが辛くて…。
そして、乾いた後も少しインクが滲んだり、紙がふやけたりしているのを目にする度に、「あーこれ、水に濡れちゃったんだよなぁ…もうちょっと高いところに置いておけばなぁ…」と後悔すると思うと悲しくて…。

だからこそ、迷わずどんどん捨てる決断をしたのですが、ふとした瞬間に自分が捨てたものを思い出しては「はぁ…」となったり、そんな自分に嫌気がさしたり…。
これがきっと「グリーフ(死別や喪失を体験したときに起こる、心や体の反応)」というものなのでしょうね。

これまでさまざまな水害地域で活動し、たくさんの被災体験を聞かせていただいてきましたが、やはり自分が経験してみて初めて知る感情もあるのだと実感しました。
そして、住民さんが話してくださった喪失体験を思い出しては、「住民さんはあのときの気持ちはこんなだったのかな…」とあらためて想像しています。
何でもわかった気にならないように、これからもっと多くの人の心に寄り添えるように、神様がこの経験をさせてくれたのかなと思います。

多くの方々が手伝いに来てくれたおかげで、私たちの事務所はほぼ元通りに復旧しました(まだだいぶ散らかってはいますが…水や泥や砂などはなく、土足生活は脱しました!)。連日時間を見つけてお手伝いに来てださった方々に、この場を借りて御礼申し上げます。
またお見舞いとしてご寄付を寄せてくださった方々にも、心より御礼申し上げます。
どうもありがとうございました。

石巻全域では、約1万戸が浸水したとのことで、10月16日からは災害ボランティアセンターも立ち上がりました。

http://www.ishinomaki-shakyo.or.jp/disaster_volunteer

特に稲井地区、河北地区、北上地区などでは土砂による被害、渡波地区などでは浸水による被害が大きかったようです。
お時間のある方、お気持ちのある方はぜひ、こちらのご支援をよろしくお願いいたします。
石巻での災害ボランティア活動のために宿泊場所を探していらっしゃる方は、私たちの事務所にお泊りいただくことも可能ですので、ご連絡くださいませ。

最後に。
全国どこにいても、誰もが被災者になり得る状況です。
皆様もくれぐれも日頃から災害に備えておいてくださいね。

(編集長 あき)

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