最近いくつか新しいコーナーを始めたのでご紹介。
ひとつは「マイノリティの声」。
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仮設住宅や復興住宅で新聞を配っていると、どうしようもなくネガティブな人に出会うことがある。
ある日、震災で娘さんを亡くした男性が言った。
「どうして自分がこんな目に遭うのか。前世でよっぽど悪いことでもしたんだろうか…」
冷静に考えてみたら、震災で犠牲になった約2万人の家族が皆、「前世で悪いことをしたから」震災で家族を亡くした、なんてあり得ない。
でもそんなあり得ないことを本気で考えてしまうくらい、「どうして自分が…」な気持ちなんだなと思った。
震災から8年が経っても、彼は毎朝娘さんの遺影を見て涙するという。
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話は変わって、大学の後輩ががんに罹患した。
再発を繰り返し、状況は良いとは言えない。
まだ若くて、二児のパパでもあり、人生これから!というタイミング。
神様はなんて意地悪なんだろうと思った。
昨年末、彼に会いに行った。
不謹慎だけど、「いま会っておかないと、会えなくなっちゃうかも…」みたいな気持ちがあった。
でも実際会ってみたら、彼はすごく元気でキラキラしていて、私が想像いていた「がん患者」と全然違った。
「がん患者という『弱者』になってみて、人生がいい方向に変わった」
決して強がりではなく、本当にそうなんだなっていう目をしていた。
彼の言葉を、石巻の人たちに伝えたいって思った。
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新しいコーナーを始めるにあたり、副編集長には「石巻と関係ない記事を載せるなんて」と反対されたりしたけれど、私は「どうして自分が…」を乗り越えた人の声を、どうしても石巻の人たちに伝えたかった。
これまで数々のコーナーを作ってきたけれど、自分たちが今年度で活動を終えるかも知れないと思ったときに、最後に伝えたいのは「どうして自分が…」の想いを持ち続けている人たちへのメッセージだ。
この記事を読んで、いつか「私の人生、悪くないな」っていう気持ちになってもらえたら、ここまで活動を続けてきた意味があったなって思う。
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記念すべき第1回目の「マイノリティの声」は、もちろん大学の後輩にお願いした。
「5年生存率12.5%」という彼が、強く前向きに、そして貪欲に生きて夢を叶える姿に、勝手に勇気をもらう。
やっぱりお願いして良かった! 私が元気になったから、それでいいや!笑
私たちの活動で石巻の人たちに元気になってもらいたいなんて、私のエゴだからね。
でも、やっぱり何か伝わるものがあると思う。
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これから3か月に1回ほどのペースで、マイノリティや弱者に声を上げてもらおうと思います。
ぴったりの方がいたら、ぜひご紹介ください☆
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(編集長 あき)
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