世の中は夏休み!!
ということで、この夏もたくさんの学生ボランティアさんが石巻復興きずな新聞の活動に参加してくれています。
東京にある武蔵野大学さんは、毎年学生さんをボランティアとして派遣してくださっていますが、今年はなんと4週間の長期プログラムで2名の学生さんを受け入れしています。
これから4週間、彼らの活動をレポートしてもらおうと思います。
震災から7年半が経つ石巻を、県外の若者がどう見ているのか、仮設住宅や復興公営住宅の課題はどう捉えられているのか、そんな視点で皆様にも読んでいただけたらと思います!
(編集長 あき)
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こんにちは!東京の武蔵野大学に通っている「きょうこ」こと、辻今日子です!
私は熊本出身で、熊本地震を経験しました。なので、震災を実際に体験した自分にしか出来ないことがあるのではないかと思い、このプログラムに参加することにしました。
また、被災先進地区である石巻の現状を自分の目で見ることで、将来熊本になにか還元できるといいなと思います。
昨日、石巻に到着し、あきさんに温かく迎えていただきました。今回、私は初めて宮城県を訪れましたが、東京に比べて風が冷たくてとても寒く感じます。ボランティア活動に参加するのも初めてで分からないことばかりですが、約1ヶ月間、石巻復興きずな新聞舎の活動に参加させていただきます。
初日の昨日は、写真展『MIYAGI 1951』を訪れました。アメリカ軍医ハドラーが撮った戦後の宮城県の風景写真が複数展示されていました。私は、自分の想像していた戦後とのギャップにとても驚きました。米軍と幼い日本人の子どもが一緒に笑顔で過ごしている場面や、かき氷を食べる子どもの姿など、どの写真からも明るい雰囲気を感じられました。
そして今日から本格的に実習活動が始まり、きずな新聞を配布しました。私は大橋と河北地区の仮設住宅にお届けにいきました。どなたも初対面の私にもとても親切にしてくださり、地域のぬくもりを感じました。
お茶っこでは、貴重な震災当時の話を聞かせていただきました。
また、現地の方からはとても明るい雰囲気を感じました。
今日、今後について伺った方は全て次の引っ越しが決まっていたので、そのようなことも住民の方を明るくしていたのかなと思います。
被災地が次の段階に進んでいることを強く感じた1日でした。私もこの1ヶ月で少しでも成長出来るように頑張ります!
(武蔵野大 きょうこ)
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こんにちは。武蔵野大学1年のりんりん、こと関口花琳(かりん)と申します。
私は大学で社会福祉学科を専攻しています。そのため社会福祉の視点から石巻復興きずな新聞のボランティアに参加したいと考えています。社会福祉学科では「傾聴」のスキルがとても重要になってきます。実際にそのスキルを学び取れるこの活動は私にとってとても有意義なものです。また社会福祉学の視点から、石巻復興きずな新聞が活動することでコミュニティづくりをどのように支援していくのかを学習し、コミュニティおよびコミュニティづくりの理解を深めたいです。
1日目は、お昼過ぎに石巻駅に到着し、石巻復興きずな新聞舎の事務所で代表の岩元暁子さんとご挨拶をしました。
その時すでにボランティアさんが1人いらっしゃり、その方は私と同じ大学のプログラムできずな新聞と繋がった一年先輩の方でした。中には何度もボランティアに参加している方もいるというお話を以前耳にしましたが、その方がこれまだ参加してきた経験を聞かせていただくと、本当に何度も来てしまいたくなる活動であるということを実感しました。
また、この日は、8月19日まで開催している街並み写真集「MIYAGI1951」という展示を見学しました。当時高価であったカラー写真を目にすると、色とりどりの果物や楽しそうな子どもの様子や生活の様子が鮮明に伝わってきます。展示された写真のそばに添えられたポストイットに書かれた文字に、写真の被写体が誰であるか、現在のどの位置にあたるのかを展示に来られた方が記していて、写真と現在の石巻市とのつながりが見えました。
2日目は、オリエンテーションから始まり、初めて仮設住宅に訪れ新聞を配布しました。
オリエンテーションでは、石巻市の被害状況などのほか、仮設住宅や復興公営住宅にお住まいの方々の状況について学びました。
オリエンテーションの最後に、「復興とは?」という問いがあり、阪神淡路大震災後の調査で分かった「生活復興感を高めるために必要なもの」についても学びました。
生活復興感を高めるためには「住まいがあること」「重要他者との出会い」が大切だということです。
現在、仮設住宅から復興公営住宅へ引っ越す方が増え、仮設住宅は閑散としています。その状況はうれしいものであると同時に、地域コミュニティが崩れていくことでもあるため、重要他者が心の支えである場合があることにもうなずけます。
実際に、復興公営住宅にお住いのおばあちゃんは、利便性が上がったが話す場面も場所も激減していると教えてくださり、ますます訪ねてくれる人が重要になると思います。
新聞を配ることでコミュニケーションが生まれ、繋がりができると実感できた一方で、やはり初対面の方に話しかけることはとても大変であるともわかりました。
県外から来たため、土地勘がないのでどこについておっしゃっているのか、共感できない場合もあります。しかし、勇気を持って質問したり、自分で地図を読み込んだりして早く位置関係になれつつ、会話を広げていきたいと思います。
(武蔵野大 りんりん)
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◆MIYAGI 1951
https://www.miyagi1951.com/
◆石巻復興きずな新聞ボランティア
http://www.kizuna-shinbun.org/volunteer/
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