昨年4月に団体を設立し、無事に初年度を終えました。
先ほど市の助成金の報告書を滑り込みで提出し、今ほっとしているところです(修正が来ませんように…)。

活動そのものをしっかり行なっていくだけでも簡単ではないのですが、加えて団体運営や資金調達などもあり、振り返ってみると本当に鍛えられた一年でした。
多くの方の支えと協力がなければ、乗り切ることは出来なかったと思います。
本当に本当に、ありがとうございました。

今日は皆さまにお知らせとお願いがあります。
長文ですが、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。

 
■事務所の移転について
団体設立からこれまで、私たちは石巻の方々に支えられ、活動に対する多大なるご理解・ご協力をいただき、活動を行なってきました。その一つが、石巻の街なかになる「かめ七呉服店」さんで、2階の空きスペースを ①新聞6000部の保管場所、②地元ボランティア&県外ボランティアのオリエンテーションや振り返りの会を行なう場所、③県外ボランティアの簡易宿泊場所として利用させていただいてきました。そのかめ七呉服店さんが今度、近隣地権者の方々と共に優良建築物等整備事業(再開発)を立ち上げられることになり、5月中旬に建物が解体されることになりました。

そんな経緯で、私たちは移転先を探さなくてはならなくなりました。
 どこか安く間借りさせていただけるところはないかしら…
 でも宿泊もできる事務所なんてないよね…?
 電車やバスで通っている地元ボランティアさんもいるから、駅から近くないと。
 どうせなら地元のボランティアさん同士がもっと交流しやすい拠点、県外のボランティアさんがまた石巻に帰ってきたくなるような拠点にしたいよね。

今年2月頃から、あーでもないこーでもないと、いろんなことを考え合わせて、さまざまな人に相談し、助言をいただきながら、ようやく駅前北通り(石巻駅から徒歩5分)の築50年の2階建一軒家に出会うことができました。



1階の約12畳のお部屋は、①新聞6000部の保管場所、②地元ボランティア&県外ボランティアのオリエンテーションや振り返りの会を行なう場所として、2階の6畳2部屋を③県外ボランティアの簡易宿泊場所として活用し、これまでのように「月に1回の新聞発行」「訪問・傾聴しながらの新聞配布」「県外ボランティアの受け入れ」を行なうことができそうです。また、これまでのように間借りではなく独自の拠点を持つことで、地元ボランティア同士のコミュニティや結束強化にも繋げることができそうです。

トイレは汲み取りですが、ぜいたくは言っていられません。津波に浸水した地区ですが、防災グッズと避難マップを準備して、県外のボランティアさんも安全・安心して宿泊できるようにしようと思います。震災後にリフォームされているので、築50年の割にはとてもキレイです。大切に使わせていただこうと思います。

ここまで本当に大変でしたが、いまはワクワク&ほっとしています。ここまで支えてくださった方々に、心から感謝です。

ゴールデンウィーク中に引越しをする予定です。片付いたら、ぜひ遊びに来てください☆

 
■賛助会員について
上記の物件を取得し、事務所&宿泊場所として整備し、1年間維持していくために、(通常の活動資金とは別に)約120万円かかります。いくつかの助成金に応募していますが、まだ決定しているところはありません(通常の活動資金に関してもまだ決定していません…)。今年ももう一度クラウド・ファンディングに挑戦することも考えましたが、クラウド・ファンディングは期間中とてつもないエネルギーが必要で、新聞の発行・配布という通常活動を行ないながらの実施は正直難しいと感じています(昨年実施したときは、団体設立~新聞再開の間だったので、新聞発行&配布の通常活動はありませんでした)。

また、活動資金の問題は、非営利かつ事業収入がほぼゼロの私たちにとって、常に付いて回る問題です。助成金や補助金は通常単年度なので、毎年綱渡り。これでは安定していい活動を続けていくのは難しいと、一年間活動してみて改めて実感しました。

そこで今年度から、安定して活動を継続していくために、「賛助会員」という制度を始めることにしました。多くの方に少しずつお心を寄せていただきながら、安定して活動を続けていきたいと考えています。年間5千円の個人会員(購読あり)になっていただくと、毎月「石巻復興きずな新聞」をお送りさせていただきます。この機会に、ぜひ新聞をぜひ読んでみてください!

<会員種別・会費>
■個人会員(購読あり) 5,000 円/年 × 1口以上
■個人会員(購読なし) 3,000 円/年 × 1口以上
■団体会員       10,000 円/年 × 1口以上

<賛助会員の特典>
【1】毎月「石巻復興きずな新聞」と「お手紙(活動の近況報告)」を郵送でお届けします(個人購読あり、団体会員のみ)。
【2】年に1回「活動報告書」をお送りいたします(すべての賛助会員)。

◆賛助会員のお申し込みはこちら

どうか一年間、私たちの活動を見守り、応援していただけると幸いです。またぜひ周りの方にも、私たちの活動を広めていただけると本当にありがたいです。

ちなみに、もしも今応募している助成金が落ちてしまって、この賛助会員も皆さまからのご賛同が得られなかったら、そのときはまたクラウド・ファンディングに挑戦せざるを得ないかな…と考えています。そうならないようにぜひお祈りしていてください&賛助会員へのご協力よろしくお願いいたします!

 
■新聞購読について
昨年、クラウド・ファンディングで寄附してくださった方にも毎月新聞をお送りしていたのですが、何人かから「新聞は送らなくて良いので、その分活動にお金を使ってください」というお申し出をいただきました。とても優しくて、思いやりのあるお申し出だなと感じました。ですが、私は「どうしても読みたくない!!」(もしくは全盲の方など、新聞を読むことができない)という方以外は、ぜひ新聞を購読して欲しいと思っています。

ひとつ目の理由は、新聞を毎月送付するのは、皆さまが思っているより、手間もお金もかかっていません。現在毎月約100通を送付していますが、封入作業は地元のボランティアさんが集まったときに一気に行ないますし、最近は慣れてきたのもあって30分もかかりません。毎月「こんなに沢山の方が寄附してくださるなんて、ありがたいね~」と言いながら、楽しく作業しています。また郵送費は、石巻郵便局様にご理解・ご賛同いただき、ボランティア向け(?)の特別価格で郵送させていただいています(その代わり「私信」を入れることができないので、私の個人的な友人たちにも手書きの手紙を同封することなどができません。個人的に「ありがとう」のメッセージを付けたいと思うのですが…。でもいつも宛名シールを貼りながら、一人ひとりの顏を思い出し、心の中で「ありがとう!」と思っています。もちろん、お顏を知らない方に対しても、感謝の思いは絶えません)。

もうひとつの理由は、私は「石巻(被災地)の現状や課題を多くの方に知ってもらうこと」には計り知れない価値があると考えています。仮設住宅の住民さんに「いま、一番困っていることは? 私たちに出来ることはありますか?」とボランティアが聞いたところ、「あなた達にして欲しいことは何もない。でも、ただ忘れないでいて欲しい」と言われたそうです。石巻の方々にとって、仮設住宅の住民さんにとって、「自分たちのことが忘れられてしまう」のが一番怖いのです。

私たちの新聞には、基本的に石巻のことしか載っていません。県外の方にとっては、あまり面白くないかも知れません。役に立たないと思う方もいるかも知れません。忙しいから読む時間がないという方もいらっしゃるでしょう。

でも。
アナタが月に1回、新聞を読むたった10分でも、石巻に想いを馳せてくれたら。
アナタに「仮設住宅には今、こんな課題があるんだ」と知ってもらえたら。想像してもらえたら。
そして、それをアナタが周りにいる誰かに伝えてくれたら。
アナタに石巻を身近に感じてもらって、あわよくばいつか石巻を訪れてくれたら。
それは、私たちがアナタから5千円の寄付をいただく以上に、石巻の復興のために価値のあることだと思うのです。

賛助会員の個人会員は「購読あり/一口5千円」と「購読なし/一口3千円」の2種類ありますが、ぜひ「購読あり」を選んでもらえたらうれしいです。もし「郵送費や手間がもったいない」と思うのでしたら、その分、周りの方に私たちの活動を、石巻の現状を伝えてください(または2口以上ご協力ください…!!)。家族との夕食、友人とのランチの話題にしてみてください。とても勇気のいることだと知っています。でも、私はアナタと、東北・被災地の今を共に伝える「同志」になりたいと、心から願っています。

2017年4月28日
石巻復興きずな新聞舎
代表 岩元暁子
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