三ヶ月ぶりに会えた彼。
私の目をまっすぐに見ながら話す。

「体調は…悪いですね…。
どうしても『死にたい』って思ってしまって…。
『どうしたら楽に死ねっかな』とか、
『買い置きの食糧がなくなったら死のう』とか、
朝からそればかり、ずっと考えてるんです」

死にたいって思いながら毎日を生きるのは、
さぞかししんどいだろうと思う。
それでも、どうして生きているの?と問うと
「迷惑かける人もいるから…ですかね」と答えた。

周りの人のために生きる「優しさ」を、彼はまだ持ち合わせている。
「生きててくれて、よかったよ。しんどいのに、ありがとうね」
そう言うと、少し笑顔を見せた。

「震災で自分の人生はめちゃくちゃになった」と思っている人は多い。

「生まれてきて良かった」
「生きてて良かった」
「亡くなった方の分まで懸命に生きよう」
そんな風に思える日が来てほしい…
というのは私のエゴだから、そっと心の中にしまう。
代わりに、笑顔で「また来月ね」と言う。

来月も新聞を渡せるといいな。
そのくらいは願っても、バチは当たるまい。

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