仮設住宅での6度目の夏。今年も夏祭りが開かれた。

自治会の役員さんにお誘いいただいて足を運んだものの、
気になるのは「ここに来ない住民さん」。

60代男性、独居。
部屋を訪ねてみると、
案の定、夏祭りが開催されていることすら知らなかった。

屋台で買ってきたつくねを部屋で食べながら、
話に花を咲かせる。

「いや、分かってるんだよ、ご近所さんと仲良くしなきゃいけないってさぁ~。
 んでも、どーも煩わしくってさぁ~」

「そいなごとばり(そんなことばかり)語ってると、孤独死するよ~?笑」

震災前から病を患っていた彼は、
避難所で食事制限が守れず、一気に悪化し、
今では週に3回人工透析を受けている。

最近は仕事を終えて帰って来ると、
ぐったりして、何も出来ないんだという。

そして、そんな人に限って、復興住宅への入居権限がない。

「居られるだけ仮設に居て、その後のことはその時に考えるさぁ~」

目に見えて落ち込むでもなく、
彼は達観したような表情でそう話す。
そうでなきゃ、やっていられないんだろうなと思う。

ひとしきり話し終わって帰るとき、
彼はとびきりの笑顔でこう言った。
「今日はあきさんの顔見て、なんか安心したぁ〜」

これだから、この活動はやめられない。

お祭り、来てよかったな。

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